【おすすめ異世界アニメ】十二国記「東の海神 西の滄海」二人の少年の再会がもたらす波乱。大王朝へと続く物語。

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みなさま、こんにちは。

今回は、おすすめ異世界アニメ「十二国記」の第4弾。(今回で最終です。)第40話「乗月」、第41話~第45話「東の海神 西の滄海(ひがしのわだつみ にしのそうかい)をご紹介します。

尚隆が延王として玉座に付いて20年。国情がまだ安定しない雁国で起こる謀反を背景にした、尚隆と六太の国づくりの物語です。

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「十二国記」アニメ基本情報

著者:小野不由美
イラスト:山田章博
出版社:講談社、新潮社
刊行期間:1991年9月~継続中
ジャンル:ハイ・ファンタジー
アニメーション制作:ぴえろ
監督:小林常夫
キャラクターデザイン:田中比呂人、楠本祐子
オープニングテーマ「十二幻夢曲」作曲・編曲 – 梁邦彦
エンディングテーマ「月迷風影」/歌:有坂美香
アニメ放送期間、話数:2002年4月~2003年8月、全45話
(「乗月」(第40話)「東の海神 西の滄海」1章~転章 (第41話~第45話)2003年7月~8月 )

小野不由美「十二国記」新潮社公式サイト

「十二国記シリーズ」でアニメ化されたタイトル

現在でも刊行中である「十二国シリーズ」ですが、その中でアニメ化されているのは、短編を含む次の6タイトルです。

「月の影 影の海」(登場国:巧、雁、慶)
「風の海 迷宮の岸」(登場国:黄海(蓬山)、戴)
「書簡(短編集「華胥の幽夢より)」(登場国:慶、雁)
「風の万里 黎明の空」((登場国:芳、才、恭、柳、雁、慶)
乗月(短編集「華胥の幽夢」より)」(登場国:芳、恭、慶)
東の海神 西の滄海」(登場国:雁)

※TV版の放送順。刊行順では「東の海神 西の滄海」」は「風の万里 黎明の空」の前に刊行されている。「書簡」「乗月」(短編集「華胥の幽夢」)は「風の万里 黎明の空」以降の刊行。

第40話「乗月」

「乗月(じょうげつ)」は、原作小説の短編集「華胥の幽夢(かしょのゆめ)」に収録されている一篇をアニメ化したもので、「東の海神 西の滄海」へ続く、オリジナル要素も入っています。

「乗月」あらすじ

新たに慶国の禁軍左将軍となった桓魋(かんたい)は、勅使として芳国へ向かう。その頃、峯王亡きあと、朝廷を取りまとめていた恵州候・月渓(げっけい)が、王宮から去ろうとしていた。そんな状況下にとまどう桓魋だったが、月渓に景王からの親書と、慶国の女史(文官)からの手紙を渡そうとする。その女史とは元芳国公主・祥瓊のことだった。

祥瓊の父親である、峯王を殺害した月渓の心情が分かるお話。月明かりの下、桓魋に胸の内を明かす月渓にしんみりします。そして、仮王として立つことを拒む月渓に対する桓魋の言葉が、印象的です。

そして、続く「東の海神 西の滄海」は尚隆と六太がメインのお話です。

「東の海神 西の滄海」あらすじ

胎果である延期・六太が、同じく胎果の小松尚隆を延王として雁国へ連れ帰ってから、20年の月日が流れた。

荒野と化していた雁国は、緑の大地へと変わり、民も穏やかに暮らし始めていた。そんな民の様子を見ていた六太は、ある少年のことを思い出す。20年ほど前、偶然出会ったその少年は、親に捨てられ、妖魔に育てられていた。「蓬莱」を求め放浪する名もなき少年に、六太は「更夜(こうや)」と名付けたのだった。 

雁国の州のひとつである元州に、謀反の動きがあるという情報が入る中、六太のもとにある人物が訪れる。その名は駁更夜(ばく こうや)。妖魔に育てられ、六太が名付けたあの少年だった。

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「東の海神 西の滄海」登場人物

延王尚隆(えんおうしょうりゅう)/ 小松尚隆(こまつなおたか)

・雁国の王。戦国時代に生まれた胎果。瀬戸内水軍・小松家の跡取りだった。
・頻繁に王宮を抜け出し、市井に下りる。「風漢(ふうかん)」という偽名を使う。
・奔放で不真面目だが、重要な局面では手腕を発揮する有能な人物。
・声優:相沢正輝(現:相沢まさき)さん

延麒六太(えんきろくた)

・雁国の麒麟。室町時代に生まれた胎果。京都に暮らす貧民の末っ子だった。
・尚隆と同様によく王宮を抜け出し、市井を放浪する。
・気性や言動は子供っぽいが、聡い一面も持つ。
・声優:山口勝平さん

斡由(あつゆ)

・雁国元州候の息子。州候の父に代わり、元州を治めている。
・先王の時代から傑物として名を知られている能吏で、切れ者。
・真面目な性格、利発で懐が深い。
・声優:大倉正章さん

駁更夜(ばく こうや)

・雁国元州夏官射士。妖魔に育てられた少年。
・幼い頃、六太と出会い「更夜」という名を付けてもらう。
・人妖と呼ばれ、放浪しているところを斡由に助けられ、心底慕うようになる。
・声優:石田彰さん

驪媚(りび)

・元州牧伯
・六太に、天命を受けない仙が国を治めことの恐ろしさを説く。
・声優:勝生真沙子さん

「十二国記」の世界観

「東の海神 西の滄海」の物語の舞台と関連する用語を、少しだけ簡単にご紹介します。

雁州国(約500年前)

先代の梟王(きょうおう)が王朝の末期に暴虐の限りを尽くし、国土は荒廃。
その後、次代の延麒が王を見つけられないまま亡くなったため王の不在が続き、民は30万(通常の1/10以下)まで減少した。
尚隆が践祚し、徐々に国土は復興されつつあるが、州候のほとんどが先王時代のままであるため、政治はまだ安定していない。

十二国の官位、役職

  • 宰輔(さいほ)
    宰相(王の補佐役)で、台輔(たいほ)と呼ばれることが多い。各国の麒麟がその地位につき、唯一、公爵位をもつ朝議の筆頭。麒麟の本性ゆえ、実権は持たない。首都州の州候を兼任している。
  • 三公(さんこう)
    宰輔の唯一の臣下。位は侯(こう)。政治介入はせず、王の相談相手や教師を務め、助言をする存在。太師(たいし)、太傅(たいふ)、太保(たいほ)の3つの官職がある。

  • 冢宰(ちょうさい)
    六官を取りまとめる長。位は侯(こう)。現実的に朝臣の頂点である宰相の仕事を行う。

  • 六官(ろっかん)
    天官、地官、春官、夏官、秋官、冬官の6つの官職で、それぞれ役割は分担されている。位は卿伯(けいはく)

    天官(宮中行事)長は、天官長太宰(てんかんちょうたいさい)
    地官(土地戸籍)長は、地官長大司徒(ちかんちょうだいしと)
    春官(祭司)長は、春官長大宗伯(しゅんかんちょうだいそうはく)
    夏官(軍事)基本的に文官の集まり。長は、夏官長大司馬(かかんちょうだいしば)
    秋官(法令・外交)長は、秋官長大司寇(しゅうかんちょうだいしこう)
    冬官(造作)冬器(妖魔、神仙を傷つけることが出来る武器)の製作。長は、冬官長大司空(とうかんちょうだいしくう)
  • 州侯(しゅうこう)
    王から任命される。州の六官を任命し、実際に州を統治する。位は侯(こう)。
  • 州宰 (しゅうさい)
    国の冢宰に相当し、州の六官を統率する。

  • 令尹(れいいん)
    州侯の補佐役で、国の宰輔に相当する。位は卿伯(けいはく)。「東の海神 西の滄海」では斡由がこの官職。
  • 牧伯(ぼくはく)
    各州の州候や施政の監督官。王から任命され、各州城へ派遣される。位は卿伯(けいはく)「東の海神 西の滄海」では驪媚がこの官職。

  • 射士(しゃし)
    州候の身辺警護の長。「東の海神 西の滄海」では更夜がこの官職。

十二国の軍組織

基本的に他国との戦争がないため、貴人の警護、王宮や都市の警備、警察としての機能を全て行っている。
軍は格付けされており、上から禁軍、首都州師、余州の州師の順。また、同じ軍の中でも左軍、右軍、中軍、佐軍の順に格が下がる。軍人としての最高位は禁軍左将軍。

軍の規模は4種類に分けられる。
・黒備(こくび)兵数:12,500、・白備(はくび) 兵数:10,000、・黄備(こうび)兵数:7,500、・青備(せいび)兵数:2,500

  • 禁軍(きんぐん)
    王直属の軍で、精鋭部隊。旗の色は紫。

  • 首都州師(しゅとしゅうし)
    首都州に配備された軍。統率権は各国の麒麟。

    禁軍と首都州師を「王師(おうし)」と呼び、それぞれ左軍、右軍、中軍の三軍がある。一軍の兵数は通常、黒備(こくび)12,500。王師の旗は龍旗。
  • 州師(しゅうし)
    首都州以外の八州(余州)に配備されている軍。
    左軍、右軍、中軍、佐軍がある。三軍の兵数はそれぞれ通常、黄備(こうび)7,500で、佐軍の兵数は、おおむね青備(せいび)2,500。
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「東の海神 西の滄海」の見どころ、魅力

尚隆と六太の国つくりの物語、「東の海神 西の滄海」の見どころ、魅力をご紹介します。

六太のわだかまり

六太は蓬莱で人として生きている時、応仁の乱によって家を失い、貧しさのあまり親から捨てられるという経験をしています。
このことから、戦を起こし、民を苦しめる権力者を嫌っているところがあり、雁国の王として連れ帰った尚隆に対しても、わだかまりを持っています。

そのわだかまりを、どう失くしていくのかが見どころです。

尚隆と斡由

一見、自由奔放で不真面目な尚隆と、切れ者で懐の深い斡由。このふたりが掲げる国づくりの理念がこの物語の根底にあります。
尚隆は斡由のことを「もうひとりの自分」といいますが、それはどのような意味があるのでしょうか?

更夜の変化

幼い頃から妖魔とともに過ごし、人間から迫害を受け続けた更夜。唯一人間扱いをし、優しく接してくれた斡由に心酔している更夜が、六太との再会、そして尚隆と出会うことでどう影響されるのかが見どころです。

尚隆の「国」に対する想い

尚隆は、雁という国を任された時の想いを六太と更夜に語ります。
その想いは、蓬莱で一度自分の国(領土)を失ったことから来ていることで、一見不真面目に見える尚隆が、悲痛な面持ちで語る姿は見どころのひとつです。

「東の海神 西の滄海」まとめ

二人の少年の再会がもたらすものとは。雁国の復興、そして大王朝へと続く、尚隆と六太の国づくりの物語。

「十二国記シリーズ」アニメ版のご紹介、最終です。

今回のメインは尚隆と六太。まだまだ国内が安定しない時期の雁のお話ですが、六太が尚隆を信じきれてないのが、寂しい。まぁ、500年経ったころには「国に問題が無くなれば、雁を滅ぼしたくなる。」なんて言う尚隆ですけど。(六太に睨まれてるぞ!)

同じ胎果でも陽子、泰麒とは違い、尚隆と六太は戦国時代、室町末期と戦乱の世に生きていた人間なので、「国」への思いは人一倍強いんじゃないかと思います。

そして、一度、蓬莱で国(領土)を失った尚隆にとっては、再挑戦といえるのでしょうか?何をすべきか構築しながら、じっくりと国づくりをやっているのかな?とも思えます。
(ある意味、「月の影 影の海」で塙王が言っていた「胎果の王は国を治める秘訣を知っているのではないか?」というのは、尚隆に対しては間違っていないのかも。)

今回、尚隆の対比として登場した斡由。能吏で懐の深い、出来た人物かと思えば・・・。最後の責任転嫁で、あーあ。となりました。
更夜は純粋がゆえに斡由に心酔し、彼の歪みに気づかないふりをしていましたが、最終的には認めざるを得なくなるのは、更夜にとって悲しいことです。

500年後、更夜は天仙「犬狼真君(けんろうしんくん)」として、天犬の「ろくた」と共に黄海の守護者となりますが、彼はもう雁に戻る気はないのかなぁ。尚隆は妖魔を敵対生物としない法律を作ってますよ。 

やっぱり延主従は笑わせてくれるなーと思ったシーン。

ばくちに興じて、借金のかたに妓楼で下働きしてる「王」とか、朝議の時、眠気をかみ殺している主従、そして大あくびしてる「麒麟」とか。500年前でも、ふたりはそんな感じだったんだなー。

管理人は陽子も好きですが、延主従、特に延王が一番好きなんですよねー。世間では楽俊が一番人気みたいです。 

あと、くま将軍の桓魋(かんたい)(中の人(=松本保典さん)含む)も好きだったりします。
「乗月」は桓魋がメイン扱いでよかった。この人やっぱり、切れ者ですね。さすが軍のトップです。そして、芳国の帰りに、桓魋が柳国にいる祥瓊を迎えに行くシーン。(アニメのオリジナルシーン)ふたりがいい雰囲気で、もう、くっついちゃえよ!とか思ってしまいました。

いやー。十二国記って恋愛要素、ほぼ無いからなー。

「十二国記」まとめ

友人の「キリンが王様を選ぶの。」との言葉が発端で視聴した「十二国記」。

最近ではあまりお目にかかれない、道徳心というか哲学というか、そういうものを考えさせてくれる作品だと思います。

アニメでも十分楽しめますが、小説も刊行中であり、アニメ化されていないタイトルがいくつかあるので、興味のある方は原作本もオススメします。

管理人はアニメの続編も見たいですけどね・・・。

以上。第40話「乗月」、第40話~第45話「東の海神 西の滄海(ひがしのわだつみ にしのそうかい)及び「十二国記」のご紹介でした。ではでは。

 

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注意:本ページの情報は2020年7月時点のものです。最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。

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